島村のデザインに対する姿勢や意志について、

2015年10月に開催した「TCGセミナー」内での

Q&A形式のトーク内容を記載します。

 

※TCG=高知のクリエイターズクラブ「土佐クリエイターズギルド」のこと

 

写真中央が私、島村です。(左はアクセントデザインの小松和明さん、右はゴーゴーデザインのヤマサキハジメさん)

 

Q デザインするとき何から取り掛かるか

僕はキャッチコピーから取り掛かりますね。これは、そのコピーをデザインの中に使うからという意味では無くて、使用の有無に関わらず、キャッチコピーを考えるという行為自体の中に、デザインに必要な要素がすべて入っていると思うので、まずは「これだ」と思うコピーを決めてから、デザインにかかります。

デザイナーである僕なんかがコピーのことをあれこれ語るのはおこがましいのですが、キャッチコピーは、誰に何を伝えたいのか、そのデザインによってどんな問題を解決したいのかを端的に表す必要があるため、それを考えることで情報が整理されるのが利点です。

 

Q TCGにメリットを求めることは是か非か

メリットを求めること自体は良いと思います。ただ、入ってみてメリットがあるかないかは自分の行動とか意識次第なのかなと思います。僕自身はメリットがあったと思っています。僕は印刷会社のデザイナーとして働いていていますけど、TCGに入るまでは、デザイン事務所の方や広告代理店の方と知り合うことは無かったんですよね。TCGができてそういうつながりができて、実際代理店の方から仕事をもらうことができたし、そのことで自分の仕事の幅とかデザイン力はアップしたなと感じています。また、印刷営業の観点からするとデザイン事務所の印刷物を受注できたりと、いろいろメリットはありました。でもすべて、TCGの会の中で、デザインや印刷のことを自ら売りこんだ結果なので、行動すればメリットになり得るのだと思います。

 

Q マック、プリンタ以外に必要なもの

情熱じゃないですか?そういうことではなく?(笑)

ハード的なものでいうとカメラじゃないですかね。高知のデザイナーは何でもやらされるので、「写真も撮れるんでしょ?」ってお客さんは思ってるんですよね。なので、ある程度のグレードのカメラは持っておくといいんじゃないでしょうかね。

気持ち的なことでいうと、デザインが大好きだ!っていう気持ちと、自分がデザインすることで、世の中がちょっと楽しくなったらいいなと、思うことじゃないでしょうかね。

 

Q TCGを利用してやってみたいことはありますか

これは、三人でも話してたんですが、勉強会はやってみたいですね。この人にあのソフトの使い方を教えてほしい!とか、あとは、同じデザイン物をそれぞれ違う人に作ってもらって、その課程をみんなで見る、みたいな。えーー、そこそんな風に作るんや!?みたいな驚きあると思うんですよね。そういう勉強会とか今みたいなセミナーの方が、若い人たち、まーまだまだ僕もペーペーなんですが、そいう人たちが参加しやすくなるのかな、とは思います。

 

Q ストレス解消のしかた

ストレスにもいろいろあるとは思いますが、デザインが浮かばないことのストレスはデザインでしか解消できないな、と思っています。いいデザインができれば、というか、いいアイデアが浮かべば、キターーーーー!ってなりますからね、ストレスなんかは吹っ飛んじゃいますね。ただ、僕の場合そういうデザインに限って大したことないんですけどね。

 

Q デザインに行き詰まったときは

デザインに行き詰まったときは、僕は近所を散歩することが多いですね。それでも解決しないときは、ちょっと今ひとつな仕上がりでもいいので、ひとまず完成させます。そうするとちょっと安心できて、肩の力が抜けるんですよね。その後散歩したり、お風呂入ったりすると、フッと良い案が出てきたりしますね。

 

Q デザインする上で最も大事にすること

そのデザインを見た人が「動きたくなるかどうか」ですかね。デザインとはそもそも何かの問題があってそれを解決するためのツールだと思っていますが、結局最後は人が動くかどうかだと思うんですよね。ユーザーに商品を買ってもらうっていうゴールがあるのはもちろんなんですけど、例えばデザインによってそれを扱う担当さんのモチベーションがあがったり、そのイベントのスタッフのテンションがあがったりとか、思わず動き出したくなるようなものを目指しているつもりです。もちろんそこまでうまくいかないこともたくさんあるんですけど。

 

Q どうやってデザイン力を上げてきたか

僕には入社当初からデザインを教えてくれる上司がいなかったんですよね。学校もデザインの学校も出てないので、それも学んでいなかったので、とくにかくデザイン書を読んで読んで読みまくりました。それしか勉強の仕方がなかったんですよね。最初のころはTCGも無かったですし。聞く人もいない。夜な夜なビレバンに行ってはデザイン書を片っ端から立ち読みしました。買えよ、って話なんですけど。ラフの描き方とか、プレゼンの方法なんかもそこで学びました。今でも勉強し続けています。

 

Q 今、学生だったらどの会社、誰の下で働きたいか

僕、最初から上司がいなかったんですよね。だから割と自由にやってきたので、誰かの下で働ける自信がないんですけど。上げるとすればNanoさん、ですかね、ナノクリエイティブさん。あんな美しいデザインがどうやって生まれてきているのかを目の当たりにしたいです。僕自身が身につけられるとは思えないんですが。

 

Q 何をデザインしているときが楽しいか

ポスターかな。特にどの場所にどんな風に貼られるかが分かっているものですね。この場所にこんなポスターあったら、人は立ち止まるんじゃないかとか、驚くんじゃなかとか、考えるとかなり楽しいですね。たくさんの人の目に触れるものを作るのが楽しいんだと思います。

僕小さいころからポスターが好きだったみたいで、絵画のコンクールとかだと大した賞に入らないんですけど、ポスターコンクールだとそこそこ良い賞がもらたりしてたので、今から考えると小さい頃から好きだったんだろうなと思いますね。

 

Q 何をモチベーションにして仕事をこなしていますか

面白い仕事はおのずとモチベーションがあがるので、いいとして、それ以外ですよね? 理不尽な納期とか金額でデザインしないといけないことってたくさんありますけど、それを面白くないと思いながらデザインしてしまうと、自分のデザイナーとしての時間がもったいないと思うんですよね。それなら相手の予想を裏切るようなものを出すために、その時間を使った方が有意義だし、みんなが楽しくなるのかなと。それが僕のモチベーションの種ですね。

 

Q 人付き合いについて

ざっくりした質問ですが、僕はこう見えて人見知りなんですよ。いや人見知りだったという方が正しいですかね。知らない人と会うのが苦痛で苦痛で。でもそれがなんで苦痛なのかな?って思ったときに、話す内容が無いからなんですよね。何を話したらいいのか分からないし、上手に話せないことで相手に不快感を与えないかな?みたいな心配があって、それが僕の人見知りの原因だったと思うんですけど。ただ、それは5年ぐらい仕事を続けると、いろいろな知識が増えてきて、話す内容にそれほど困らなくなったんですよね。そこから初対面の人と会うときでもそれほど緊張せず、苦痛にも感じずに話すことができるようになりました。